反社会的勢力への対応

反社会的勢力とはイメージ画像企業が通常の企業活動を行っていく中で、あるいは、一般人が日々日常生活を送っていく中で、「反社会的勢力」とかかわりをもつ(持ってしまった。)という事案は、少なくはありません。

では、「反社会的勢力」とは、どのような人たちを意味するのでしょうか?一般的には、暴力団関係者のことを意味すると考えてよいでしょう。これ以外にも、暴力団関係企業、えせ右翼、えせ同和行為者、総会屋等も反社会的勢力と理解することになりましょう。

民事介入暴力とは警察庁は、民事介入暴力の定義について、「暴力団又はその周辺にある者が,暴力団の威嚇力を背景にこれを利用し,一般市民の日常生活又は経済取引について司法的救済が十分に機能していない面につけ込み,民事上の権利者や一方の当事者,関係者の形を取って介入,関与するもの」としています(主観説)。

他方、日弁連では、その主体について、暴力団やその関係者に限定せず、暴行、脅迫、その他迷惑行為を行うなど、社会通念上認められる権利の行使の範囲を超えるの不相当な行為を民事介入暴力事件と定義しています(客観説)。

現在では、フロント企業、えせ右翼、えせ同和等、一見すると暴力団とは無関係に見える者(集団)から不当要求を受けるケースも多くなってきており、後者のように外形的に社会通念を超える態様での権利実現行為は、その主体に関わらず、民事介入暴力事件として取り扱うのが妥当だと思われます。

フロント企業とは従来、暴力団(反社会的勢力)の主たる収入源は、賭博、売春、薬物等の明らかに違法な行為に基づくものでした。しかし、1991年、暴力団対策法が制定され、暴力団が堂々と上記ような違法行為を行うことは困難になりました。

また、暴力団対策法制定前のバブル経済全盛時には、金融、不動産といった短期的に大きな収益を得ることができる経済分野に、暴力団が合法性を装った形(外見上、適法な企業として)で進出するようになりました。このように、外見上からは、暴力団の関係企業とは思われない形で、背後から暴力団が会社を操り、その収益を暴力団が吸い上げる形態の企業を、「フロント企業」といいます。

フロント企業は、金融、不動産、建設、産業廃棄物処理、風俗、飲食、その他の様々な領域で経済活動を続け、多大な収益をあげているといわれています。なお、フロント企業の株主、取締役には、暴力団が関係しないようにされているため、表面上は、暴力団が関係しているとは思われません。フロント企業で働いている社員でさえも、自分の会社が暴力団と関係があるとは認識していないのが通常です。

こうした事情から、企業や個人にとって、フロント企業と一切関係を断つことは、実際問題としてはなかなか困難なことなのが実情です。

不当要求行為とは不当要求行為とは、暴力、脅迫その他不当な行為又は社会常識を逸脱した手段により要求の実現を図る行為を意味します。

暴対法9条では、様々な暴力的要求行為が規定されていますが、大まかにいえば、金銭等の利益を得ようとする行為、他人に義務なきことを強いる行為、自らの義務を免れる行為等が含まれます。通常想定しる得る違法、不当な行為は、大概含まれていると考えてよいと思います。

なお、不当要求行為を行うのは、暴力団員が典型例とされており、暴対法上もそれを前提として規制されています。しかし、日常生活、企業活動において「不当要求」という言葉を使用する際は、暴力団員からの不当要求以外にも、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、右翼団体等反社会的勢力からの不当要求も含まれるものとして対応することが必要です。 

不当要求行為に対する対応不当要求行為を受けた場合、弁護士に代理人を依頼し、警告書(内容証明郵便)を送付することになります。警告書の内容は、本件については弁護士が代理人に就任したこと、今後の対応は弁護士が行うことになるので、依頼者本人には連絡をしないこと、そして、今後、不当要求行為は行わないよう警告し、それに違反した場合は法的措置をとるべきことを通知します。

弁護士が介入した以上、反社会的勢力といえども、弁護士を相手に暴力や脅迫行為により不当要求を実現できるとは考えませんので、不当要求行為は止まるのが通常です。

暴力団排除条例とは暴力団排除条例は、市民や企業が暴力団との関係を遮断することを目的として、各都道府県で定められている条例です。平成23年10月1日、東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行されたことで、全国の都道府県で暴力団排除条例が施行されることになりました。

東京都暴力団排除条例を参考に、条例の概要を説明すると以下のとおりとなります。

ア 条例の基本理念(第3条)
・「暴力団と交際しない」
・「暴力団を恐れない」
・「暴力団に資金を提供しない」
・「暴力団を利用しない」

イ 利益供与の禁止(第24条)
事業者の規制対象者に対する利益供与、規制対象者が事業者から利益を受けること双方が禁止されています。

ウ 事業者の契約時における措置(第18条)
事業者が契約をするにあたり、関係者の属性確認,書面による契約に際しては、暴力団排除条項(暴排条項)を入れることを努力義務の形で規定しています。

エ 不動産の譲渡等における措置(第19条)
都内に所在する不動産を譲渡等する場合は、契約の相手方に暴力団事務所として使用するものではないことを確認するように努め、契約書を作成する場合には、暴力団事務所として使用しない、させない旨、暴力団事務所として使用していることが判明した場合は、無催告解除又は買戻し条項を契約内容に盛り込むべきことを定めています。

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