法律解説

割賦販売法

割賦販売法とは割賦販売法商品を購入した際に後払いとする契約を「クレジット契約」といいます。割賦販売法はこのようなクレジット契約に関してのルールを定めた法律です。

クレジット契約には、販売業者と購入者のみが当事者となる二者間契約と、購入者が販売業者から商品などを購入する際、クレジット会社が発行するカードを使用する三者間契約(但し、カードを利用しない場合もあります。)がありますが、現在よく使用されているのは、専ら三者間契約です。

三者間契約の場合には、販売業者と購入者、購入者とクレジットカード会社、クレジットカード会社と販売業者との間の契約は、本来別個独立のものですから、仮に販売業者と購入者とのあいだでトラブルが生じても、他の二つの契約には全く影響を及ぼさないのが原則です。しかし、例えば、販売業者が商品の引き渡し期限を過ぎているのに商品を引き渡さないような場合に、購入者がクレジットカード会社にクレジット料金支払わなければならないとすると、購入者が安心してクレジットカードを使用することができなくなってしまいます。そこで割賦販売法においては、このような場合にクレジットカードの支払いを拒絶できるようにしました。

このほか、割賦販売法では、クレジットカードを使用せず、商品などを購入するたびに販売業者が提携しているクレジット会社の審査を受けて購入する「個別クレジット契約」におけるクーリング・オフ制度や、訪問販売によって日常生活で必要とされる量を著しく超える契約を申し込んだときの解除制度などを定めています。

このように、割賦販売法においては、後払い(クレジット)で商品などを購入する取引に関してのルールを定めており、複雑な規制がなされています。そこで、後払い(クレジット)によるトラブルが生じたときには、御自身の契約が割賦販売法の適用を受けるのか、受けるとしてどのような対応をすることができるのか、専門家である弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

特定商取引法

特定商取引法とは特定商取引法の正式名称は「特定商取引に関する法律」といい、定められた一定の類型の取引について、業者の不当な行為から消費者を保護する法律です。

特定商取引法の対象となる取引特定商取引法の対象となる取引は以下の6つです。

(1)訪問販売(例えば、自宅に業者がやってきて、布団などを売りつける場合です。)
(2)通信販売(例えば、インターネットなどで商品の性能、品質などについて著しくしく事実と異なる公告をするような場合です。)
(3)電話勧誘販売(例えば、業者が電話で商品を勧め「申し込むまで毎日電話するぞ」としつこく勧誘するような場合です。)
(4)連鎖販売取引(例えば、ホームパーティなどと称してその場で商品を勧められ「友人にも紹介すると高額な紹介料が入る」などと言われたにもかかわらず、紹介料が入らないような場合です。)
(5)特定継続的役務提供(例えば、英会話学校などの受講契約で前払いをした場合の解約に際し、高額な違約金を請求されたような場合です。)
(6)業務提供誘引販売取引(例えば、パソコンソフトを購入すれば、そのソフトを利用した内職を紹介する)と言われたのに、仕事を紹介されないような場合です。)

特定商取引法の例特定継続的役務提供取引の例をあげてみましょう。例えば、子供を学習塾に通わせるため、1週間に2回、月謝120万円の契約を締結していましたが、3回ほど授業を受けた段階で中途解約することにしたとします。すると学習塾から、受講料とテキスト代で30万円の請求をされたとします。この場合、3万円を支払わなければならないのでしょうか。

まず、特定商取引法では学習塾の中途解約権が認められており、その場合の損害賠償額の上限は、サービス開始前であれば1万1千円、サービス開始後であれば2万円か月謝相当額のいずれか低い方とされています。上記の例では、1カ月の月謝は10万円ですから、これと2万円のいずれか低い額の方とすると、2万円さえ支払えば中途解約することができることになります。ただし、テキストが書き込みなどにより使用不可の状態になっていた場合には、テキスト代は別途支払う必要があります。

このように、特定商取引法の対象となる商取引においては、一定の消費者保護が図られています。しかし、その類型は複雑で、多岐にわたります。そこで、何かトラブルが発生した場合には、一度弁護士に相談するのも一案ではないでしょうか。

消費者契約法

消費者契約法とは消費者契約法とは、消費者と事業者とが対等に契約できるように生まれたルールです。

消費者と事業者との間では、情報力、交渉力の点において圧倒的な格差があります。そのような格差が原因で消費者が不利な契約を締結してしまうことが少なくありません。そこで、平成13年から消費者契約法が施行され、消費者の方にとって不利な契約を取消し、または、消費者の方に一方的に不利な契約条項を無効にするなどして消費者の保護が図られるようになりました。

消費者契約法によって保護される「消費者」とは、事業としてまたは事業のために契約の当事者となる個人であり、法人は含まれません。また、「事業者」とは、法人その他の団体および事業としてまたは事業のために契約の当事者となる者です。

消費者契約法における消費者保護の類型消費者契約法における消費者保護の類型は、大きく分けて2つあります。1つは、事業者が何らかの不適切な勧誘を行い、それによって消費者が誤認・困惑して契約を締結した場合に、その契約自体を取消すものです。もう1つは消費者に一方的に不当・不利益な契約条項の全部または一部を無効にするものです。

事業者の不適切な勧誘には、重要な項目について事実と違うことをいう場合(「不実告知」といいます。)、将来の変動が不確実なことを断定的にいう場合(「断定的判断」といいます。)、利益になることだけを言って、重要な項目について不利益になることを故意に言わない場合(「不利益事実の不告知」といいます。)、帰ってほしいと言ったのに、自宅や会社から帰らない場合(「不退去」といいます。)、帰りたいと言ったのに帰してくれない場合(「監禁」といいます。)があります。このような状況で消費者の方が契約をしてしまった場合には、その契約を取消すことができます。

消費者に一方的に不当・不利益な契約条項には、事業者の損害賠償責任を免除したり制限する条項、不当に高額な解約損料が設定されている条項、不当に高額な遅延損害金を定めている条項、信義誠実の原則に反して消費者の利益を一方的に害する条項などがあります。これらの条項は無効となります。

取消ができる期間消費者の方々が契約を取消すことができるといっても、いつまでも取消しができるわけではありません。取消しができるのは、誤認に気付いた時、または困惑行為から6カ月、契約の時から5年以内です。ただし、その期間を過ぎた場合でも、消費者契約法ではなく、民法を使って契約を取消すことができる場合もあります。ですから、何らかの事情があって、契約を取消したいとお考えになった場合には、弁護士に相談するなどして、迅速に対応するのが適切でしょう。

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