接見とは

接見とは接見とは、刑事手続により身体が拘束された状況下にある被疑者や被告人が、弁護士や家族と面会することをいいます。特に、弁護士と接見する機会を確保することは、後で述べるとおり、身体拘束された被疑者、被告人にとって非常に重要であり、そのため、一種の権利とされています。この「弁護士と接見する権利」については、最高裁判例も「接見交通権」という重要かつ基本的な権利であることを認めています。

一般の方との接見に関する制限家族など一般の方との接見の場合、警察官や刑務官が立ち会います。また、通常、大幅な時間制限も受けます。さらに、被疑者や被告人が逃亡し、または証拠を隠滅してしまうと疑うに足りる相当な理由があると裁判官が判断した場合には、接見が禁止されてしまうこともあります。

弁護士との接見の場合刑事弁護人として選任された弁護士と接見する場合は、立会人がつくことなく接見したり、書類や物の授受をすることができます。また、弁護士との接見については、接見が禁止されてしまうことはありません。

ただし、起訴前の被疑者である段階では、捜査との兼ね合いで、接見の日時、場所等につき一定の制限を受けることがあり、これを「接見指定」といいます。しかし、この接見指定がなされた場合でも、それが違法不当な制限であると弁護士が判断したきには、警察や検察に抗議し、すぐに接見させるよう主張します。

また、接見が違法に妨害された場合、弁護士としては、後の裁判で、「違法に接見が妨害された状況下で作成された証拠(供述調書等)は、証拠として採用してはならない」という主張をすることがあります。さらに、違法な接見指定で被疑者が損害を被ったとして、国家賠償請求訴訟を提起するケースもあります。

弁護士との接見の意義弁護士との接見は、被疑者、被告人にとっては、法律の専門家である弁護士から、(1)黙秘権等の被疑者、被告人が有する様々な権利、(2)捜査及び刑事手続全体の流れ、(3)今後の処分の見通しなどについて教えてもらい、今後いかに対処していくべきかについて相談できる、という点で、非常に重要な権利です。

この権利を速やかに実現するためにも、早期に弁護士に依頼することをおすすめします。

弁護士との初回接見の重要性特に、逮捕・勾留され、起訴される前の段階の被疑者にとって、弁護士との初回の接見は、連日の取調べにより非常に心細くなっている中で、はじめて法律の専門家に親身に話を聞いてもらえる機会です。これは、重要な知識が得られるというだけではなく、精神的にも強力な支えができるという点で、非常に大きなメリットがあるといえます。逆に、弁護士との接見が遅れたために、その間の違法な取調べによって、やってもいないのに自白供述をしてしまう、ということもありえます。

また、被疑者がご家族等と連絡をとりたいと思っても、身体が拘束された状況下では、なかなか実現することができません。既に述べたように、ご家族との接見が禁止されてしまう場合もあります。この場合でも、弁護士がついていれば、接見の際に弁護士に依頼することによって、弁護士を通じてご家族と連絡が取れることがあります。

以上のような理由から、逮捕勾留された被疑者のご家族の方に対しましては、なるべくお早めに弁護士に依頼されることをおすすめします。

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