コラム
2026/04/08

ネット誹謗中傷の削除請求と発信者情報開示請求|弁護士が解説する法的対処法

ネット上の誹謗中傷でお悩みの方へ

SNSや掲示板、口コミサイトなどインターネット上での誹謗中傷は年々深刻化しています。匿名の投稿者による事実無根の書き込みや、名誉を傷つける投稿により、精神的苦痛を受けるだけでなく、社会生活や仕事にも重大な影響が及ぶケースが増えています。 このようなネット上の誹謗中傷に対しては、法的手段により迅速かつ適切に対処することが可能です。本記事では、弁護士の視点から、誹謗中傷に対する具体的な法的対処法をわかりやすく解説します。

誹謗中傷に対する3つの法的対処法

ネット上の誹謗中傷に対して取りうる法的手段は、大きく分けて以下の3つです。

1. 削除請求(投稿の削除を求める手続き)

誹謗中傷の書き込みを発見した場合、まず検討すべきは当該投稿の削除です。サイト管理者やプロバイダに対して削除を求める方法には、任意の削除要請と法的手続きによる削除請求の2つがあります。 任意の削除要請は、サイトの問い合わせフォームや削除依頼フォームから直接削除を求める方法です。費用がかからない一方で、対応してもらえないケースも少なくありません。 裁判所を通じた削除請求(仮処分)は、裁判所に投稿の削除を命じる仮処分を申し立てる方法です。法的強制力があるため、任意の削除要請で応じてもらえなかった場合でも、確実に削除を実現できます。通常、申立てから2週間〜1か月程度で結果が出ることが多く、迅速な解決が可能です。

2. 発信者情報開示請求(投稿者を特定する手続き)

匿名で誹謗中傷を行った投稿者を特定するための法的手続きが発信者情報開示請求です。2022年10月に施行された改正プロバイダ責任制限法により、従来は2段階の手続きが必要だった発信者特定が、1回の裁判手続き(発信者情報開示命令)で可能になりました。 発信者情報開示請求の流れは以下のとおりです。 まず、サイト管理者(コンテンツプロバイダ)に対して投稿者のIPアドレス等の開示を求めます。次に、開示されたIPアドレスから、インターネット接続事業者(アクセスプロバイダ)に対して契約者情報の開示を求めます。改正法により、これらの手続きを一体的に行うことができるようになり、従来より迅速な投稿者特定が実現しています。 注意点として、アクセスログの保存期間は通常3〜6か月程度であるため、誹謗中傷を発見したら速やかに弁護士に相談することが重要です。時間が経過するとログが消去され、投稿者の特定が困難になるおそれがあります。

3. 損害賠償請求・刑事告訴

投稿者が特定できた場合、民事上の損害賠償請求や刑事告訴を行うことが可能です。 損害賠償請求では、誹謗中傷によって被った精神的損害(慰謝料)や、投稿者特定にかかった弁護士費用・調査費用等の経済的損害について賠償を求めることができます。 刑事告訴については、誹謗中傷の内容が名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪(刑法231条)に該当する場合、警察に被害届や告訴状を提出することが可能です。2022年の法改正により侮辱罪が厳罰化され、「1年以下の懲役もしくは禁錮」または「30万円以下の罰金」が科される可能性があります。

誹謗中傷に該当する投稿の具体例

以下のような投稿は、法的に問題となる可能性が高いです。 名誉毀損に該当し得る投稿として、「あの会社は反社会的勢力とつながっている」「○○は不倫をしている」など、具体的な事実を摘示して社会的評価を低下させる投稿が挙げられます。 侮辱に該当し得る投稿として、「バカ」「無能」「気持ち悪い」など、具体的な事実を示さずに人格を攻撃する投稿があります。 プライバシー侵害に該当し得る投稿として、住所、電話番号、勤務先など、本人が公開を望まない個人情報を無断で公開する投稿が該当します。

弁護士に相談すべきタイミング

ネット上の誹謗中傷を発見した場合、可能な限り早期に弁護士へ相談されることをお勧めします。その理由は以下のとおりです。 第一に、前述のとおり、アクセスログの保存期間には限りがあるため、時間が経過すると投稿者の特定が困難になります。第二に、誹謗中傷の投稿が拡散される前に対処することで、被害を最小限に抑えることが可能です。第三に、法的手続きの要否や見通しについて、専門家の判断を早期に得ることで、適切な対応方針を立てることができます。

当事務所の誹謗中傷対策の強み

虎ノ門法律特許事務所では、インターネット上の誹謗中傷対策について豊富な実績を有しています。 当事務所の特徴として、知的財産法の専門知識とインターネット法務の豊富な経験を活かし、削除請求から発信者情報開示請求、損害賠償請求まで一貫した対応が可能です。また、緊急性の高い案件については迅速に対応し、被害拡大の防止に努めています。 まずはお気軽にご相談ください。初回のご相談で、事案の見通しや今後の対応方針について詳しくご説明いたします。

まとめ

ネット上の誹謗中傷に対しては、削除請求、発信者情報開示請求、損害賠償請求・刑事告訴という法的手段が用意されています。特に発信者情報開示請求については、2022年の法改正により手続きが迅速化されましたが、ログ保存期間の制約があるため、早期の対応が不可欠です。 誹謗中傷でお悩みの方は、虎ノ門法律特許事務所まで、お早めにご相談ください。 虎ノ門法律特許事務所 TEL:03-6205-7455 メールでのお問い合わせはこちら

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