違約金の定め、損害賠償の予定の禁止

退職労基法16条は、「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償を予定する契約をしてはならない」と規定しています。同条は、損害賠償の予定が、労働者の(特に退職に対する)自由意思を不当に拘束し、強制労働に転化させやすい危険を持つものであったことから、かかる危険を防止するために設けられたものです。

なお、同条は賠償額の予定を禁止したものであるため、労働者の債務不履行又は不法行為により発生した実損害について、使用者が賠償請求を行うことは妨げられてはいません。したがって、労働者が、職務遂行中、過失によってお客様の高価な機器を破損したときは労働者が損害賠償責任を負う可能性もあります。

もっとも、最高裁は、このような場合も、「諸般の事情に照らし、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度」で使用者は労働者に賠償請求ができるものと判断していますので、労働者に故意や重過失がない限り、損害額全額について賠償責任を負うことはありません。

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